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「介護疲れ」のための レスパイトケアのすすめ介護疲れを避けながら穏やかに在宅看取りをするためには、どうすればいい?

2016年11月11日
「介護疲れ」のための レスパイトケアのすすめ

「介護疲れ」の実態

在宅看取りをするにあたっては、時には長い時間を介護に費やす必要が出てきます。
そこで気になるのが「介護疲れ」です。

毎日新聞社の調査によると、自宅で家族を介護している人の73%の方々が「介護に精神的・肉体的に限界を感じたことがある」と答えています。大切な人のお世話をしているとはいえ、10人中7人の在宅介護者が「介護疲れ」を感じてしまっている現状があるのです。

また、長期間の介護生活によって介護者が身体的・精神的に疲れてしまい、将来を悲観してしまうことによって、「共倒れ」とでも呼ぶべき悲しい事件が起こってしまうケースも近年では少なくはありません。

日本福祉大学社会福祉学部の湯原悦子准教授の調査によると、介護に行き詰まった家族や介護者が、要介護者である60歳以上の高齢者を殺害してしまったり、心中してしまったりする事件が、1998年からの14年間では少なくとも550件発生しており、計558人が亡くなっていることがわかっています。

「介護疲れ」による悲しい結末を迎えてしまうことは、在宅看取りをしたい皆様にとっては最も避けたいことですよね。

特に、終末期の患者さんは、介護をすることそのものが大変である場合も多いと思われます。介護者の皆様は、身体的・精神的にギリギリの状態であり、「介護疲れ」に陥ってしまうことは想像に難くありません。

それでは、介護疲れを避けながら、穏やかに在宅看取りをするためには、どうすればよいでしょうか。

患者さんご本人が穏やかに過ごすことができる環境を整えるだけでなく、介護者であるご家族の心身 をすこやかに保つことも大切です。

 

レスパイトケアとは?

介護者の身体的・精神的疲労を癒すことは介護を続けるために大切です。

そのために、「レスパイトケア」という概念があります。レスパイト(respite)とは「休息、一休み」というような意味の言葉です。つまり、レスパイトケアとは介護者が介護を一時的に休み、介護者の疲労を取り除くためのケアなのです。

ちなみに日本では、1976年に導入されました。

具体的には、短期入所介護生活や短期入所療養介護といったショートステイサービスや、デイケアのことを指します。また、一時的に普段は介護をしていない親族の方やご友人、時にはご近所さんに介護を代わってもらうこともレスパイトケアの一部です。

レスパイトケアとして一時的に介護を代わってもらうことで、様々なメリットが生まれます。

まず第一に、介護者が一時的に介護から解放されることで、介護生活の身体的・精神的疲労を取り除くことができます。また、患者さん自身にとっても、普段とは異なる環境に行くことによって気分転換ができたり、普段受けている家族の介護とは別の介護を受けることによって、どのような介護を受けたいのかを自分から考える良い機会になります。

そして、最も大切なメリットは「在宅看取りを最期のときまで続けられる可能性が高まる」ということです。レスパイトケアを受けることによって、介護疲れを予防したり、共倒れになる事態を防ぐことができます。介護は長い戦いとも言われています。最後まで戦い抜くために必要なことは、毎日頑張り続けることだけではありません。

時には介護を少し休んで、リフレッシュすること。これが在宅看取りをするために特に重要なことではないでしょうか。

 

最期のときまで、すこやかに

大切な人の最期のために、日々を頑張る介護者も、また一人の人間です。

どんな人でも、毎日頑張っていればいつか必ず疲れてしまう時がやってきます。

そういう時に「レスパイトケア」を活用しましょう。

レスパイトケアの受け方については、ケアマネージャーと相談して、居住介護支援事業所などと契約するなどの方法があります。また、普段介護をしていない親族やご友人、ご近所さんにお願いするという方法もあります。

介護者が疲れて限界を感じてしまえば、在宅看取りそのものが危うくなってしまいます。

そうなってしまう前に、いろいろなサポートを受けて、疲れきってしまう前に休むことは大変重要なことです。

とはいえ、「自分だけ介護を休むなんて」と考えてしまう気持ちもよくわかります。そのような場合は、休むのも患者さんのため、と割り切ってしまいましょう。介護者が十分な休息をとることで、介護する側も介護される側も気持ちよく毎日を過ごすことができるのです。

もし今「介護に疲れてきた」と感じていらっしゃる方は、積極的にレスパイトケアを利用してみましょう。

大切な人を、在宅で看取る。

「その時」を穏やかに迎えるために、まずは介護者自身が少し休んでみることも、長い目で見れば必要なサポートなのではないでしょうか。

 

黄金のおりん
あなたの実家が空き家化しそうなときに押さえておくべき5つの基本【空き家対策本部】
用語タグ レスパイトケア
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